谷口さんはおじいさん、おばあさんによって大正14年の創業当時より越前竹田で伝えられてきた製法を今も忠実に守り続けています。 それは機械化されていない手作業での製法で、その指には毎日の油あげ作りからできる、たこができています。見た目は厚揚げのような存在感がある油あげ。しかし厚揚げと違い、中には無数の気泡が出来ていてふわふわ。また外はじっくり揚がっていてサクサクの食感が味わえます。 製造には九頭竜川の伏流水と、国産大豆100%、天然にがりを使用。素材にも妥協はしません。
谷口さんが作る油あげには、計り知れない時間と手間、そして何よりも日々の絶え間ない努力と研究の成果が詰まっています。すべて手作業であげるので、火を入れ、油に生地を入れてから最初の一枚目が揚がるまでに、なんと50回以上はひっくり返します。それはバランス良くふっくらと膨らんだ揚げに仕上げるためです。 また、一枚ごとに重石をするとこで一枚一枚の生地の状態をしっかりと見てそれぞれに合わせた揚げ方をします。機械化された製造方法ではないので、生地を油に入れてから最後の一枚が揚がるまで、谷口さんは油のそばから離れることはありません。 また谷口さんは、日々の気温や油の温度など細かなデータもしっかりと記録し、日々の研究も怠りません。それほど油あげ作りに情熱と努力を注いでいるからこそ、自ら揚げるこの油あげに自信をもって、「美味しい」と言えるのです。
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